このような悩みを持たれている方もいらっしゃると思います。
この記事を読めば、生活保護受給者の方でも賃貸保証会社の審査にしっかりと通る理由が理解できるでしょう。生活保護だからといって、審査に対して不安を抱く必要はありません。この記事では、その思いを込めて情報をお伝えします。
また、生活保護受給者が審査をスムーズに通過するための重要なポイントもご紹介しますので、事前に確認しておいてください。それでは、具体的な内容に進んでいきましょう。
生活保護受給者の審査は難しくない!
まずははっきりと申し上げますが、賃貸保証会社が審査を通して保証する際、実は生活保護の方は逆に重宝されます。
その理由は
ポイント
- 毎月安定した保護受給がある(収入)
生活保護を受給されている方は、賃貸保証会社にとって家賃滞納リスクが低いと見なされるため、審査がスムーズに進む傾向があります。一方で、働いているのかどうかが不明確な方よりも、安定した収入が見込める生活保護受給者の方が安心されるのです。
そのため、結論として「どの賃貸保証会社でも審査が通る」という安心感を持って、審査に臨んでいただければと思います。
生活保護の方で審査が通らなかった理由
しかし、生活保護受給者の中には残念ながら審査に通らないケースも存在します。いくつかの要因が考えられますが、代表的な理由を以下に挙げます。
ポイント
- 受給費が少ない
- 過去に家賃滞納をしている・していた
- 生活保護の受給が決定していない
- 駐車場を借りようとしている
- 転居理由が怪しい
それぞれでざっくりと解説していきます。
①受給費が少ない
仕事と掛け持ちで生活保護を受給しようとする場合、受給額が少ないことがあります。賃貸保証会社は、安定した収入を確保している方を好むため、満額受給している方の方が審査に通りやすいです。
中途半端な受給額の方は、逆に審査が通りにくくなる傾向があります。
②過去に家賃滞納をしている
これは生活保護の方に限らず、家賃滞納履歴があると、次回の引っ越し時に賃貸保証会社の審査に通るのは非常に難しくなります。
しかし、賃貸保証業界はまだ整備が十分でない部分もあり、こうした状況下でも審査に通る方法が存在します。
気になる方は下記記事をご参照ください。
③生活保護の受給が決定していない
賃貸保証会社の審査を受けるタイミングで、まだ生活保護の受給が決定していない場合があります。この場合、賃貸保証会社によっては審査が「否決」となることもありますが、多くの場合「仮承認」として対応されます。
仮承認とは、生活保護受給が決定した時点で正式に審査が通るというものです。基本的には仮承認で対応している賃貸保証会社が多いため、「仮承認書面」を受け取り、契約時に生活保護の「受給決定通知書」を提出するという流れになります。
ポイント
賃貸保証会社によって名称は様々ですが、保証会社の審査結果として代理店にFAXする「回答書」「承認書」に【仮承認】と記入されているかと思います。
④駐車場を借りようとしている
基本的に、生活保護を受給される方は車を所有することが認められていません。そのため、生活保護費から駐車場代や車の維持費を捻出しようとする方は、賃貸保証会社の審査で不利になることがあります。
ただし、特別な事情がある場合も考えられますので、事前にお部屋探しの担当者に相談しておくことをお勧めします。プロの知見や経験から適切なアドバイスを受けることで、スムーズに審査を通過できる可能性が高まります。
⑤転居理由が怪しい
例えば、現在東京に住んでいるにもかかわらず、北海道で生活保護を受けようとしている場合、不自然な点があるため、賃貸保証会社の審査に通らないことが多いです。
このようなケースでは、それぞれの事情があることを前提に、賃貸保証会社が納得できる理由をしっかりと準備しておくことが重要です。事前に明確な理由を提示することで、スムーズな審査を目指しましょう。
生活保護受給者のための賃貸保証会社審査のポイント
一般的に、生活保護受給者が賃貸保証会社の審査に通ることは難しいと言われています。
その理由は、賃貸保証会社が申込者の収入、クレジットスコア、過去の家賃支払い実績などを基に、滞納リスクを評価しているからです。
生活保護受給者の場合、クレジットスコアが低いことが多く、これが審査通過を困難にする要因となることがあります。
生活保護受給者の審査の通し方
一部の賃貸保証会社では、生活保護受給者向けのプランを用意している場合があります。
そのため、生活保護受給者の方でも、複数の賃貸保証会社の審査基準を比較し、自分に合った保証会社を選ぶことが重要です。また、申込時には生活保護受給者であることを正直に伝えることが大切です。
なぜなら、保証会社によっては生活保護受給者向けの対応をしている場合があり、自分に合ったプランが見つかる可能性があるからです。
具体的なプランとしては、通常は月額賃料の50%を保証するところ、生活保護受給者の場合は100%を保証し、スムーズに審査を通過するケースが多いです。
さらに、最近では各自治体が賃貸保証会社の保証料を負担してくれることがあり、実質的に費用負担なく保証会社へ加入することが可能です。これにより、生活保護受給者の方でも安心して賃貸物件を借りることができます。
生活保護である事を事前に話す
生活保護受給者であることは、賃貸保証会社に申し出る際に正直に伝えることが重要です。
賃貸保証会社は、滞納リスクを最小限に抑えるため、申込者の収入、クレジットスコア、過去の家賃支払い実績などを審査します。生活保護受給者である場合、収入が安定していないことが審査に影響を与える可能性がありますが、これを正直に申告しないことは不正行為となります。
正直に伝えることで、賃貸保証会社が適切なプランやサポートを提供できるようになりますので、申請時には必ず事実を正確に伝えましょう。
生活保護受給者であることを隠してお部屋探しはトラブル原因
また、生活保護受給者であることを隠して入居契約を結ぶと、後に家賃滞納などの問題が発生した場合に契約違反となり、解約や訴訟などのトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
そのため、事前の申告をしっかり行うことが大切です。
『独立系』の賃貸保証会社ならどこでも通る
生活保護受給者であっても、複数の賃貸保証会社の審査基準を比較し、自分に合った保証会社を選ぶことが重要です。
特に、独立系と呼ばれる賃貸保証会社であれば、基本的にはどこでも審査に通る可能性が高いです。このような会社は、柔軟な審査基準を持っているため、生活保護受給者の方にとって、もっとも適した選択肢となるでしょう。
【独立系】家賃保証会社 |
---|
日本セーフティー |
casa |
日本賃貸保証会社(JID) |
エルズサポート |
フォーシーズ |
ジェイリース |
全保連(2020年1月〜審査が緩和) |
中には、緊急連絡先になって頂ける方さえもいらっしゃらないケースがありますが、役所の生活保護課の担当者さんが緊急連絡先になって審査に通るケースもあります。
審査時に受給証明書を用意しておく
これらの家賃保証会社の審査を通過するためには、「生活保護受給決定通知書」が絶対的に必要です。この書面があることが前提となりますので、ご了承ください。
まだ取得されていない方は、まずこの書面を自治体から取得するように手続きを進めましょう。
>>これから生活保護を受ける方必見!生活保護受給者証明書の発行方法
生活保護の方でも審査が通る家賃保証会社一覧
生活保護受給者の方で、連帯保証人を付けずに緊急連絡先だけで審査を通してくれる家賃保証会社をまとめました。
ただし、これらの家賃保証会社の審査を通過するためには、「生活保護受給決定通知書」が必要です。この書面があることが前提となります。
【独立系】家賃保証会社 |
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日本セーフティー |
casa |
日本賃貸保証会社(JID) |
エルズサポート |
フォーシーズ |
ジェイリース |
全保連(2020年1月〜審査が緩和) |
賃貸保証会社の年々厳しくなる生活保護の方への審査
賃貸保証会社が台頭し始めた5〜6年前は、生活保護受給者の方も増加しており、各賃貸保証会社は生活保護受給者を積極的に審査に通していました。
ほぼ誰でも受け入れる状態でした。しかし、これが災いして、多くの保証会社が手痛い家賃滞納の問題に直面することとなりました。
生活保護受給者は国から毎月支給されるお金を実際の生活費に充てていますが、その中には賃貸で借りている家賃分も含まれています。当時は、役所から生活保護受給者本人に直接お金が手渡されることが主流でした。
(*今でも受給者本人への現金手渡しも多いですが、現在は役所から大家さん口座へ家賃を直接送金なんて事もやっている)
生活保護受給者の方も国から毎月支給されるお金があり、決してお金がないわけではありません。そのため、物件オーナーも安心してお部屋を貸していたのですが、実際には家賃滞納が発生しやすい状況が生まれていました。
多くの賃貸保証会社は、生活保護受給者の受給証明書が審査時に提出されれば、ほぼ確実に審査を通していました。しかし、これが後に多くの問題を引き起こすこととなったのです。
*現在の家賃保証会社審査は受給証明書無しで通す事がほとんど!)しかし、決定通知書は必要になります。
もちろん、連帯保証人は必要ありません。しかし、なぜ年々生活保護受給者への審査が厳しくなっているのでしょうか?
その背景には、過去の家賃滞納の問題が大きく影響しています。多くの賃貸保証会社は、受給証明書の提出だけで審査を通過させていた結果、滞納リスクが高まる事態を経験しました。これにより、保証会社は審査基準を見直し、より厳格にする必要が生じたのです。
家賃滞納発生時の回収が困難
賃貸保証会社は家賃滞納が発生すると、滞納分の家賃を物件オーナーに立て替えます。そして、その立て替え分を入居者本人に請求し、家賃を回収します。しかし、ここで回収ができないと、保証会社は大きな損失を被ります。そのため、保証会社は必死に立て替え分の家賃を回収しようとします。
生活保護受給者の場合、一度家賃滞納が発生すると、その回収は非常に困難です。仮に家賃を回収できたとしても、次の月には再び家賃滞納が発生するリスクが高く、負のスパイラルに陥る可能性があります。これは、生活保護受給者が国から支給される金額が必要最低限の生活費であり、余裕がないためです(1ヶ月分の生活費として一人当たり7〜8万円程度)。
贅沢をしなければ十分な額かもしれませんが、一度家賃を滞納すると、その後の家賃支払いが非常に難しくなります。生活保護受給者は仕事をしていないため、追加の収入を得ることができません。例えば、サラリーマンであればボーナスで遅れた家賃を補填することも可能ですが、生活保護受給者にはその余地がありません。
したがって、生活保護受給者にとって、一度家賃を滞納すると、その後の復帰は非常に困難なのです。
生活保護者の方は家賃滞納するとそのままお部屋を出て言ってしまうリスクが高い
生活保護受給者は、家賃滞納をしてしまうと「無断で部屋を退去してしまう」リスクが高いと言われています。
どこに行くのかは不明ですが、、、。
生活保護受給者が無断で部屋を退去してしまうと、賃貸保証会社はその後の対応に多大な時間と労力を費やすことになります。
さらに、「部屋に家財道具がそのまま残されている」こともよくあります。このような状況では、本人が放棄したのかどうかを判断するのが難しくなります。
保証会社が勝手に契約者の荷物を処分するのはリスクが高いため、慎重な対応が求められます。この対応は保証会社によって異なりますが、いずれにしても対応には大きな手間がかかります。
弱者救済をする家賃保証会社の役目
そうは言っても、生活保護受給者も賃貸のお部屋を借りる必要があります。住むところは必要不可欠です。
賃貸保証会社の中には、弱者救済を掲げ、積極的に審査を通す会社も多々ありますのでご安心ください。もちろん、連帯保証人を付けなくても審査に通ります。
さらに、最近では生活保護受給者が住む賃貸物件に対して、役所が家主の口座に直接毎月家賃を振り込む制度を導入している地域もあります。このような制度があることで、保証会社も安心して審査をスムーズに進めることができます。
今後さらに増えていくのが予想される「生活保護受給者」各賃貸保証会社が弱者への救世主になれるのか?
今後の大きな課題になりそうです。
まとめ
この記事では、生活保護受給者の方が賃貸保証会社の審査をスムーズに通過するためのポイントをまとめて紹介しました。実際には、今回紹介しきれなかった多くのポイントがあります。
それでも、今回の内容を参考にすることで、生活保護受給者の方でも安心して審査に臨むための知識が身についたはずです。
ただし、今回の記事で最も重要なポイントはこちらです。
ポイント
- 生活保護受給者の方の方が賃貸保証会社の審査に通しやすい
- 独立系の保証会社であれば基本的にはどこでも大丈夫(緊急連絡先で可)
- 生活保護受給証明書がなくとも審査OK(受給予定)
これから生活保護を受給してお部屋探しを始める方にとって、この記事が参考になれば幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。