家賃保証会社を利用している大家さんや入居者の方々から、よく「家賃保証会社の保証内容は具体的にどのようなものですか?」という質問を受けます。
「家賃以外にも何か保証されるのか?」「退去時にも何か対応があるのか?」といった疑問を抱いていませんか?
今の時代、「知識がなかったために知らないうちに損をしていた!」という経験は誰しもありませんか?
本記事をお読みいただくことで、賃貸人である大家さんが家賃保証会社の保証範囲について正しく理解し、具体的に何をすべきかが明確になります。
Contents
賃貸人様が家賃保証会社の内容を知っておくべきメリット!
実は、賃貸人様が家賃保証会社を利用する際には、保証内容を把握しておくことが非常に重要です。
先に結論から言いますと、家賃保証会社の保証範囲を詳しく知ることで、金銭的にも大きなメリットを得ることができてしまいます。
そして、賃貸人様が家賃保証会社の保証内容を理解することによって得られるメリットとしては
- 自身の賃貸物件に合った適正な家賃保証会社を選ぶ事ができる
- 費用面で損をしない
この2点だと思います。
自身の賃貸物件に合った適正な家賃保証会社を選ぶ事ができる
家賃保証会社と一口に言っても、数多くの保証会社が存在しています。この中から自身にとって最適な保証会社を見つけるのは容易ではありません。
そこで、私が選んだ家賃保証会社の条件としては
- 財務状況がしっかりしている
- 不動産会社に人気
- 保証内容がしっかりしている(退去費用も含む)
この3点を考慮しておすすめの家賃保証会社を選出させていただきます。
日本セーフティー
資本金:9,900万 売上:184.4億円(2020年度) |
不動産会社取引実績 52,914社 |
退去時保証可 違約金関係保証可 死亡保証可 空室保証可 |
保証範囲 | 詳細 |
---|---|
残置物処理費用 | 賃借人が退去時に残した物品の処理費用を保証します。 |
法的手続き費用 | 明渡し訴訟に関連する法的手続き費用を保証。弁護士費用も含む。 |
原状回復費用 | 単身入居者の死亡時における原状回復費用を最大10万円まで保証。 |
訴訟費用 | 退去に伴う訴訟費用を保証します。 |
賃貸人様が家賃保証会社を選ぶ際に『日本セーフティー』を選んでおけばほぼほぼ間違いないでしょう。
又、家賃立替を家賃保証会社にお願いする際に、意外に多くあるのが『免責』です。報告が遅れた事によって家賃が立替てもらえない!なんて本末転倒!
その中で日本セーフティーは免責が最大で80日あるので、賃貸人様もうっかり忘れがなくなるでしょう。
全保連
資本金:2,980百万円(2022年3月末現在) 売上:225億円(2020年度) |
不動産会社取引実績 47,629社(2022年3月末現在) |
退去時保証可 違約金関係保証可 死亡保証可 空室保証可 |
保証範囲 | 詳細 |
---|---|
原状回復費用 | 修繕費、ハウスクリーニング費用、残置物撤去費用、ゴミ処理費用。月額賃料の3か月分相当額が上限。 |
鍵交換費用 | 鍵の交換に伴う費用が保証されます。 |
畳表替費用 | 畳の表替えにかかる費用も含まれます。 |
違約金 | 解約通知義務違反による違約金、早期解約による違約金。解約予告通知義務違反は賃料等の2か月分相当額が上限。早期解約は1年未満で月額賃料の2か月分相当額、1年以上2年未満で月額賃料の1か月分相当額が上限。 |
以前にTVのCMを打って全国に知名度を上げた『全保連』、こちらも大手保証会社として長く君臨している保証会社になります。
今後は上場も目指しており、さらに会社の成長が期待できます。勿論、保証内容も充実していますので、賃貸人様にとっても安心して利用できるでしょう!
デメリットも挙げるとしたら、審査が厳しめなので、賃貸人様にとっては場合によって空室募集の際のリーシングに影響を及ぼすかもしれません。
全保連は2023年10月に上場を果たしています。
費用面で損をしない
私も中の人なので、正直に申し上げますと、家賃保証会社を利用している賃貸人様で費用面での損を多々見てきている人間です。
ちなみに、請求されない保証に関しては、わざわざ保証会社から教える事はありません。なぜなら、立替てしまえば後から督促請求をするのは保証会社だからです。
「立替をしなくて良いなら立替をしたくない」――これは、家賃保証会社の立場から見た現状のロジックです。このことから、賃貸人様はしっかりと保証内容を理解し、万が一の際には、的確に請求を保証会社へ行う必要があります。
賃貸人が家賃保証会社の保証範囲で絶対に知っておくべきポイント!
家賃保証会社の保証範囲で知っておきたいポイントは以下です。
- 退去時の保証範囲
- 違約金関係の保証はあるか?
- 免責期間は?
それぞれを詳しく解説していきます。
退去時の範囲は?
家賃保証会社の多くは、退去時の保証も提供しています。具体的には、原状回復費用などが該当します。
ただし、この原状回復費用には上限があり、家賃保証会社によって異なります。
実際に家賃の1ヶ月〜3ヶ月分と保証会社によって差があるのですが、例えば6万円の家賃だと
- 1ヶ月=6万円
- 3ヶ月=18万円
差額が12万円も違ってきます。
違約金関係の保証はあるか?
違約金に関しては、更新料、早期解約違約金、解約通知義務違反による違約金、更新事務手数料などが該当します。
賃貸人様は意外にこれらの項目まで保証されることを認識していないことが多く、請求漏れが発生することも少なくありません。
免責期間は?
家賃保証会社が設定している『免責』も知っておいた方が良いポイントです。
例えば、日本セーフティーの免責期間は最大で80日ですが、全保連の場合は30日となります。
特に、家賃保証会社の口座振替を利用していない賃貸人様は、家賃滞納が発生した際には保証会社に代位弁済の手続きを行う必要があります。(※主に指定の書面でFAXにて)
家賃保証会社の保証内容を把握することで得をする!
その中でも、家賃保証会社の保証内容を十分に理解し、真摯に向き合っている物件オーナーは必ず「得」をしています。
しかし、家賃保証会社は全国に150社以上存在すると言われています。各社、自社の家賃保証を利用してもらおうと日々営業を行っていますが、その対象は主に不動産会社です。これは一つのポイントです。
基本的に家主、いわゆる賃貸人へ直接営業をかけているわけではないため、賃貸人(家主)さんが保証内容を理解しづらい環境にあります。
こうなると、不動産会社が賃貸人(家主)さんにしっかりと説明できれば問題ありませんが、現実にはそう簡単にはいかないことも多いのが正直なところです。
家賃保証会社は賃貸人へどこまで?保証をしてくれるか?
「家賃保証会社=毎月の家賃を保証会社が立て替えてくれる」というイメージが一般的ですが、実際には保証会社によってさまざまな付帯保証も提供されています。
例えば
- 夜逃げされた場合の残置物撤去費用
- 修繕費(原状回復費用)
- 早期解約違約金
- 解約予告違約金
- 更新料
- ハウスクリーニング費用
- 鍵交換費用
等が代表的です。
またさらにはこんなものも立て替えてくれる家賃保証会社もあります!
火災保険、口座振替手数料、水道・電気代etc
これだけでも、賃貸人にとって非常に助かる充実した保証内容だと思いませんか?
「毎月の家賃以外にも、上記のような項目も立替えます」と言っている家賃保証会社は多く存在します。
むしろ、現在ではほとんどの家賃保証会社がこれくらいの保証内容を標準としています。
家賃保証会社が立替えてくれる保証費用は利用しないと損しかない!
物件オーナー様の中には「家賃の立替さえしてくれればそれで十分」という考えをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、後から他の重要な保証が必要だったことに気づいて後悔するケースも少なくありません。
特に、多くのオーナー様は、できるだけ自分の負担を抑えながら賃貸経営を行うため、家賃保証会社を利用しています(現在では、家賃保証の費用は入居者負担が一般的です)。そのため、せっかく家賃保証会社を利用するのであれば、提供される保証を最大限に活用したいと考えるのは当然のことです。
家賃保証会社は単に家賃の立替だけでなく、様々なリスクをカバーするためのサービスを提供しています。例えば、退去時の原状回復費用や残置物の処理費用、さらには法的手続きにかかる費用まで保証されることが多いです。これらの保証を利用することで、オーナー様は安心して賃貸経営に専念できるのです。
最大限の保証を受けるためには、家賃保証会社が提供するサービス内容をしっかりと理解し、賢く利用することが重要です。
家賃保証会社の契約書裏面は重要!!
『すべては契約書にあり!!』これは、どこも同じではないでしょうか?言った言わないのトラブルは世の中で多く存在しています。その中で、『最終的には契約書に何が記載されているか?』が全てになってくると思います。
保証内容については・・・『何条の何項に記載されています』と言われれば賃貸人・賃借人双方とも納得するしかありません。
これを乗り越えた賃貸人さんにだけ”得”が待っているのかも知れません!!
賃貸人自らが保証範囲を把握する
又、情報収集もかかさず、行う事をお勧めします。
家賃保証会社の利用は不動産会社や管理会社が多い為に中々、保証内容自体が賃貸人(物件オーナー)へ届かない事があります。
もし?管理会社が家賃保証会社の保証内容を理解していなかったら?
しっかりと利用した家賃保証会社の保証内容くらいは、賃貸人(大家さん)も契約書に目を通して理解しておくべきです。
そうしておかないと、下手をするとせっかく保証会社が立替保証できるもので何十万円も賃貸人の方が損をしている事だって、正直あるのですから!
基本的には家賃保証会社は請求をしないとお金を出してもらえないシビアな面があるのも事実です!!
どの家賃保証会社がどこまで対応してくれ、どこまでの費用を負担してくれるのか?
しっかりと把握しておきましょう。
まとめ
今回は、『家賃保証会社の保証範囲』について知っておきたいポイントを解説しました。
以下、今回の内容のおさらいです。
ポイント
- 家賃保証会社の保証範囲を知ることで得することがある
- 入居者も保証範囲を知っていざ!と言う時の対策をしておく
- 家賃保証会社は『退去費用』も立替る
- 家賃保証会社の契約書はしっかり確認しておく
- 賃貸人は請求漏れがないよう『免責』も意識しておく
家賃保証会社を利用することで、物件オーナー様は家賃滞納のリスクを軽減するだけでなく、退去時のトラブルや法的手続きにかかる費用など、さまざまなリスクに対応することができます。家賃の立替だけではなく、包括的な保証を受けることで、賃貸経営の安定性と安心感を高めることができます。
賃貸経営を成功させるために、家賃保証会社を有効に活用し、安心して賃貸事業を行ってください。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。