最終更新日: 2026年4月29日
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この記事の執筆者 不動産・賃貸保証業界での実務経験15年以上。全保連を含む主要保証会社との実務やり取り、解約手続きトラブルの現場対応を多数経験してきた元保証会社社員。ココナラでの有料相談実績は累計47件以上(★4.9)。 |
こんなお悩みありませんか?
- 「お部屋を退去するので、全保連の契約も解約したい」
- 「全保連のホームページで解約方法を見たけど、いまいち分からない」
- 「全保連に直接電話したのに、解約してくれなかった」
引っ越しや契約変更の際に、全保連の保証契約を解約したいと考える方は多いです。しかし、「全保連の解約は契約者(入居者)からは直接できない」と聞いて戸惑った経験はありませんか?
どうすればスムーズに解約できるのか、誰に相談すればいいのか、情報が少なくて困惑されている方も多いはずです。そこでこの記事では、業界歴15年以上の実務経験から、全保連の解約手続きについて、ホームページには載っていない実情も含めて徹底解説します。
【結論】全保連の解約は「契約者から直接」できない
業歴15年の結論を先に申し上げます。全保連の解約は、契約者本人が直接全保連に連絡してもできません。必ず代理店である不動産会社・管理会社を通じて手続きする必要があります。これは家賃保証会社が「家主・契約者・保証会社の三者契約」という法的構造になっているためで、家主や管理会社の承諾なく勝手に解約することはできません。退去のタイミングと年間保証料の支払日(保証開始日から1年後)を意識すれば、無駄な費用も避けられます。
この記事でわかること
- 全保連の正しい解約手続き方法(3ステップ)
- なぜ契約者から直接解約できないのかその法的根拠
- 年間保証料を払わずに済むタイミング
- 2022年6月以降のJICC加盟がもたらす影響
- 2025年4月MUFGグループ連結子会社化の影響
- 退去精算費用の保証範囲(8項目)
- 解約手続きでよくあるトラブル事例
Contents
全保連とは?会社概要と最新動向【2026年版】
全保連株式会社は、日本の家賃保証業界の最大手クラスの保証会社です。2023年10月に東京証券取引所スタンダード市場へ上場、2025年4月には三菱UFJフィナンシャル・グループの連結子会社となり、業界での地位をさらに強固なものにしています。
| 社名 | 全保連株式会社(ZENHOREN CO., LTD.) |
| 設立 | 2001年11月16日 |
| 本社所在地 | 沖縄県那覇市字天久905番地 (東京本社:東京都新宿区西新宿1-24-1) |
| 代表者 | 代表取締役会長 迫 幸治 代表取締役社長執行役員 茨木 英彦 |
| 資本金 | 17億3,000万円 (2026年2月28日現在) |
| 事業内容 | 家賃債務保証及び賃料管理リスクヘッジ業務 |
| 上場 | 東京証券取引所スタンダード市場(2023年10月) |
| 親会社 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ (2025年4月連結子会社化) |
| 従業員数 | 595名(2025年3月末現在) |
2025年4月、全保連は株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの連結子会社となりました。日本最大の金融グループの傘下に入ったことで、信頼性・安定性はもちろん、審査基準や事業展開がさらに変化していく可能性があります。今後、全保連と契約する方・既に契約している方は、最新情報の継続的なチェックが重要です。
全保連は2022年6月にJICC(日本信用情報機構)に加盟し、信用情報の照会も行うようになりました。「独立系で審査がゆるい」というのは古い情報です。解約後に再度全保連と契約する場合、過去の家賃滞納履歴や信用情報がチェックされるため、解約手続きはより慎重に進めるべきです。
全保連の解約は入居者が直接手続きをすることはできない
まず大前提として、お部屋の退去で全保連の保証契約も終了させたい場合、入居者が全保連へ直接電話連絡をして「保証契約を解約したいんですが!」と言っても、解約手続きはしてもらえません。
なぜなら、全保連からは「代理店である不動産会社を介して解約手続きをとってもらってください」と促されるからです。
解約手続きは代理店を通じてではないと受理されない
以前に全保連への保証契約をする際も、おそらく全保連の代理店である不動産会社を介して保証手続きをされたと思います。「解約時」も同じで、代理店を通じて解約手続きを進めないと、全保連は受け付けてくれません。
全保連のホームページには「退去明渡完了届」という書類があり、ダウンロードできます。「ここからダウンロードして提出すればいいのか!」と勘違いしがちですが、これはあくまでも全保連の代理店用(不動産会社用)の書式です。入居者が直接記入して提出するものではありません。
なぜ全保連は入居者からの解約に応じてくれないのか?
入居者が全保連へ解約の申し出をしても応じてくれないのは、不思議に感じるかもしれません。実はこの理由は、賃貸人(家主さん)や管理会社の存在があるからです。
家主さんを一例にして説明させていただきますが、いわゆる賃貸保証会社は家主さんの味方です。仮に入居者からの解約手続きを全保連が受けて、保証契約をバンバン終了させてしまうと、こんなリスクがあります:
入居者が全保連の保証だけを解約して、お部屋には住み続けてしまう
こうなると家主さんは困ってしまいます。せっかく入居者の家賃滞納リスクを減らそうと家主は全保連を利用しているのに、入居者が好きなタイミングで保証を解約できてしまっては元も子もありません。
家主や管理会社の承諾なしに勝手に解約できない仕組み
つまり、全保連の解約は家主さんや管理会社の承諾がないと全保連も解約手続きをしてくれないということです。
解約したい場合は:
- 不動産会社を介して解約したい旨を伝える
- 住んでいる物件に「管理会社」が存在している場合は、管理会社に解約の手続きを打診する
管理会社が存在している場合は、入居前に結ばれている「賃貸借契約書」に管理会社として名前と連絡先が記載されているはずです。一度チェックしてみることをおすすめします。それでもわからない場合は、お部屋探しを手伝ってくれた不動産会社へ確認してみましょう。
三者契約──法的にも入居者の一方的解約は認められない
入居者目線で見れば「不便だ」と感じるかもしれませんが、これは法的にも問題ありません。家賃保証会社の契約はすべて「三者契約」と呼ばれる構造になっています。

参照:家賃保証会社とは?料金や仕組みなど大家さんが気になる疑問を解説
上図のように、大家さんを蔑ろにして簡単に解約できない仕組みになっています。「保証契約書」「保証委託契約書」と署名・捺印しての締結がなされているため、ここは致し方ないところです。
全保連の解約はあくまで「お部屋の退去」に伴う
全保連の保証を終了させる為に入居者が保証契約を解約できるのは、あくまでも「お部屋の退去にともなって」です。
なぜなら、全保連の保証へ加入すると、お部屋の退去明け渡しまでは入居者側からも解約できない契約になっているからです。「更新料などを払いたくないから全保連の保証だけ解約したい!」というのはNGですし、そもそもできません。
途中解約できる方法もなくはありませんが、簡単ではありません。条件さえ揃えば全保連の途中解約も可能なケースもあります。
解約手続きをしっかりしないと更新料の請求が来る
全保連の保証プランで、1年ごとに10,000円の更新料(年間保証委託料)が発生する場合があります。
当然、解約手続きがしっかり行われていないと、お部屋を退去しているにもかかわらず請求書が届いてしまいます。なぜこんな事が起こるかというと、全保連の解約手続きは代理店である不動産会社を介して行われるためです。
万が一、この代理店が:
- うっかり手続きを忘れていた
- 解約方法を間違えていた
なんてことになると、入居者にえらい迷惑がかかります。
入居者側も、全保連の解約手続きを代理店に依頼しただけで終わりにせず、きちんと後追いで「全保連への解約手続きが完了しているか」を確認しておきましょう。
ちなみに、解約手続きがうまく行われておらず、全保連から更新料の請求が来てしまった場合でも、更新を迎える前までにお部屋を退去していたことがわかれば、請求自体は破棄されますので安心してください。
全保連を解約する具体的な3ステップ手順
以下に、全保連の保証契約を解約する為に入居者側でやらなければならない手順を、3つのステップに分けて整理しました。
年間保証委託料の支払いタイミング──数日の差で得をする
全保連へ保証加入している方で、1年ごとに10,000円の年間保証委託料を支払われている方は多いと思います。当然、全保連への解約手続きが終了した後は、この年間保証委託料を請求されることはありません。
ただし、ここで知らないと大損する重要な注意点があります。
💡 知らないと大損するロジック
年間保証委託料は保証開始日(入居日)から1年後に全保連へ支払う、いわば更新料です。
例:10月1日にお部屋へ入居した場合、10月15日にお部屋を退去すると、10月1日を過ぎているため年間保証委託料を支払う必要があります。
つまり、解約タイミングのほんの数日の差で、年間保証委託料を支払うか・支払わないでよいかが決まるということです。
どうせなら、全保連へ年間保証委託料を支払うタイミング以前に解約手続きをされた方が得をします。保証開始日から1年後に到来するたった1日前にお部屋を退去されても、年間保証委託料を全保連へ支払う必要はありません。
解約手続きが完了した後も、退去精算費用は残っている
入居者からしてみれば、解約手続きが無事に受理されてしまえば「ハイ!終わり!」と感じるかもしれません。しかし、実はまだ全保連の保証はこの時点でも残っています。
全保連の商品プランには、原状回復費用を含む退去精算費用も賃貸人である家主さんへ保証する商品設計だからです。
全保連が保証している退去精算費用の範囲
全保連は契約者が退去した後の「原状回復費」を含む退去精算費用も保証しています。例えば、家主や不動産会社、管理会社から請求されているものを支払わないと、全保連に立替えられてしまいます。
📋 全保連が保証している退去精算費用 8項目
- 原状回復費用
- ハウスクリーニング
- 畳表替費用
- 残置物撤去費用・ゴミ処理費用
- 解約通知義務違反による違約金
- 早期解約違約金
- 原契約を解除してから明け渡しまでの間にかかった弁護士費用・訴訟に関する費用
- 賃料相当損害金
全保連は退去時に関わる保証範囲が広いため、退去した後も注意した方が良いと思います。例えば、退去時に原状回復費用を払う・払わないで大家さんや管理会社と揉めてしまい支払いを怠ると、費用を全保連に立替られて督促される事があります。裁判してまで揉める事ではないので、しっかりと交渉しましょう。
全保連を解約しても原状回復費用を支払わないと取り立てられる
お部屋の退去にともなって、退去立会があります。これはお部屋の状態チェックで、修理が必要なところは入居者で費用を負担することになります。
万が一、請求された原状回復費用を支払わないと、全保連が立て替えて督促請求してきます。もちろん、理にかなわない不当な請求であれば支払う必要はありませんが、全保連はどちらかというと保証を利用してくれる代理店(家主側)の味方になります。2025年4月のMUFG連結子会社化以降は、回収体制も含めてさらに組織的な対応が予想されるため、トラブルを避けるための交渉はより重要になります。
実務者が見てきた解約トラブル事例
業界15年の実務経験から、全保連の解約手続きで実際にあった典型的なトラブル事例を2件ご紹介します。
【典型事例1】不動産会社の手続き忘れで更新料を請求された30代男性
退去から半年後、突然全保連から「年間保証委託料10,000円の請求書」が届いて慌ててご相談いただいたケース。原因は不動産会社が解約届を全保連に提出し忘れていたことでした。賃貸借契約書のコピーと退去日が分かる書類を全保連に提示することで、請求は破棄されました。
→ 教訓:退去後も「全保連に解約処理が完了したか」を必ず確認。退去時の書類は最低1年は保管。
【典型事例2】数日の差で年間保証料を回避できた20代女性
保証開始日が10月1日の方が、ちょうど1年後の更新タイミングを目前に控えてご相談に来られました。退去日を10月1日から9月28日(3日前)に前倒しすることで、10,000円の年間保証委託料を回避できました。引っ越し業者の予約変更などで多少手間はかかりましたが、結果的に費用面で大きく得をした事例です。
→ 教訓:保証開始日(入居日)を確認し、その1年後を意識して退去日を調整すれば年間保証料を節約できる可能性大。
よくある質問(FAQ)
Q1. 全保連の解約は契約者本人ができますか?
いいえ、できません。家主さんや管理会社の承諾が必要なため、必ず代理店である不動産会社・管理会社を通じて手続きします。
Q2. 解約手続きにはどれくらいの日数がかかりますか?
不動産会社が全保連に解約届を提出してから、通常1〜2週間程度で処理が完了します。ただし代理店の対応スピードに依存するため、退去日の少なくとも2週間前には依頼しておくのが理想です。
Q3. 退去後に年間保証委託料を請求された場合はどうすればいいですか?
退去日が更新日より前であることを証明できる書類(賃貸借契約書・退去立会の書類等)を全保連に提示すれば、請求は破棄されます。慌てず代理店または全保連の支社に連絡してください。
Q4. 更新料を払いたくないので、お部屋に住みながら全保連だけ解約することはできますか?
できません。全保連の保証契約はお部屋の退去明け渡しまで解約できない契約になっています。家主さんの承諾なしに勝手に解約することは、三者契約の構造上不可能です。
Q5. 全保連を解約した後、再度全保連に加入するとき審査は通りますか?
2022年6月以降、全保連はJICCに加盟しているため、過去の家賃滞納履歴や信用情報がチェックされます。さらに2025年4月のMUFG連結子会社化により、今後審査基準がより厳格になる可能性も考えられます。前回の契約中に滞納などがなければ問題ありませんが、滞納履歴がある場合は再度全保連の審査に通らない可能性があります。
まとめ:全保連の解約は「代理店経由」が鉄則
全保連のホームページを見ると、解約したい場合は「最寄りの支社・支店へお問い合わせください」とだけ記載されています。これだけ見ると「問い合わせすれば手続きしてくれるんだ!」と勘違いしてしまいますが、実情はそうではありません。
この記事の要点
- 全保連の解約は契約者から直接できない(代理店経由が必須)
- 三者契約の構造上、家主・管理会社の承諾が必要
- 解約は「お部屋の退去」に伴ってのみ可能
- 年間保証委託料は保証開始日の1年後に発生 → タイミングで節約可能
- 解約後も退去精算費用の保証は残る(原状回復費等8項目)
- 2022年6月以降、全保連はJICC加盟済み(信用情報照会あり)
- 2025年4月、全保連はMUFGグループ連結子会社化(信頼性UP・体制強化)
- 代理店任せにせず、解約完了の最終確認は自分で行う
入居者の方も、本来の全保連の解約手続き方法をしっかり理解していただき、後々トラブルのない手続きを目指してください。
次の引っ越しは「保証会社不要」物件にしませんか?
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面倒な解約手続きが今後発生しない物件を選ぶのも一つの選択肢です。